Z世代にとってSDGsは自分ごと!? 2050年の主役は君達だぁ!!

2020/11/06

Z世代にとってSDGsは自分ごと!? 2050年の主役は君達だぁ!!

「2050年温室ガス実質ゼロへ」というニュースが10月28日に出ました。この記事を受けて、やはり考えるのは2050年という年です。今40歳の人も2050年には70歳になります。2050年という時代をメインストリームとして生きるのは、Z世代(2000年から2010年の間に生まれた世代、現在10代または二十歳の人たち)です。2010年生まれも2050年には40歳。つまり2050年を自分ごととして考える世代です。
 
10代の社会起業家が海外には多くいます。日本でも昨年10月、ユーグレナが17歳の高校生をCFO(Chief Future Officer)に選び、今年9月末まで活動しました。彼女とFutureサミットメンバーが出した目標は、“2021年中に商品に使用される石油由来プラスチック量の50%削減」や「ペットボトル商品の全廃」などの目標を決定”です。10代で実際の企業で具体的な目標に落とし込むことができるのは貴重な機会です。それを体験したのが、彼女とFutureサミットメンバーです。しかし、誰もが体験できるわけではありません。
 
女性向けメディア『MERY』のMERY Labが、「SDGsという言葉を知っていますか?」という質問をU25世代に行ったところ、社会人・公務員(37.9%)よりも、大学生・専門学校生(54.3%)の方が知っている。そして、高校生(60.4%)の方が知っている、という結果が出ています。ここには、就活という自分の人生を決める手段として学び身に付けようとしているという現実はあると思います。しかし、それだけでなく、彼らとって2030年や2050年が、大人たちより自分ごとであり、実際に生きる時代であることが分かります。
 
「高校 SDGs 授業」で検索をすると、京都学園中学高等学校では、8教科でSDGsに行う授業が行われており、名古屋国際高等学校でも高校課程2、3年生の選択科目として実施されているようです。また、10月19日には、福岡工業大学短期大学部から、福岡工業大学が参画している福岡未来創造プラットフォームでの共同開講科目「SDGsを学ぶ」受講生を募集するというリリースが出ています。
 
このように、Z世代は学ぶ機会を持っています。そこで行われている授業内容や講義内容は分かりかねますが、少なくともSDGsという言葉の意味、17の項目を理解し、概論だけではなく具体的なことを学んでいるのではないかと思います。
 
私自身、SDGsに興味を持ってセミナーやカードゲームに参加しましたが、テーマを大きく考えすぎて遠い話に思えてしまいなかなか自分ごとと捉えずことができない時期が長くありました。
 
SDGsは、誰の周りにもあるちょっとしたことをテーマにした目標です。プラスチックの問題は分かりやすい例かもしれません。しかし、それ以外にも人はそれぞれ違う嗜好を持っていることが、ジェンダーに関わることを今は知っています。男の子は青、女の子は赤、という時代に子供時代を過ごした世代と、今の世代は違います。しかし、男女雇用機会均等法では、“労働者の募集及び採用に係る性別を理由とする差別を禁止し、男女均等な取扱い”を求めていますが、現実は100%そうではありません。職種に対する言葉は変わりました。看護婦は看護師、保母は保育士、スチュワーデスはキャビンアテンダント。そして、その職種の男性も増えてきています。しかし、言葉優先な気がしています。そして、女性支援という言葉を聞くたびに、30年以上前に決められた男女雇用機会均等法を思います。これからは履歴書にも性別欄がなくなります。しかし、現実が決められた仕組みに追い付いていません。仕組みと現実の差を埋めていくのがZ世代であり、その先の世代ではないでしょうか?
 
10代がSDGsを知るきっかけは就活のためでも良いと思います。希望する企業に入るためにその企業が行っているSDGsに関わる活動を調べ、その分野に興味を持つ。それが、自分が生きる未来に繋がることを知り自分ごとになる。それがZ世代です。いや、積極的にSDGsの活動をしている企業を選んで入りたい、という思いの学生も多いと思います。自分たちが生きる未来を考えている企業で働きたい。自分も一翼を担いたい、という思いがあればこそです。
 
毎日の生活のなかに溢れるようにあるSDGsに関わることを、具体的に理解し実際に体験することでしか腹の底には落ちません。それは教えられてできることではなく、日常に取り入れてこそできることです。今の社会には、世の中の目を意識して上辺だけ取り繕っているSDGsウォッシュも正直あります。それを見抜く目もZ世代には必要なことです。
 
「2050年温室ガス実質ゼロへ」を決めている人たちは、2050年のメインストリームではありません。決めた責任を実行しないまますり抜けてしまうのです。実際に身体を動かし、その時代を生きるのは、Z世代。思い荷物を背負わせてしまうようですが、これが現実です。

記事執筆:伊藤緑(広報ウーマンネット 代表)