“自由”を求めるなら、責任を! 「制服自由の日」から学ぶ、受け身では望む自分を作れない!

2020/11/17

“自由”を求めるなら、責任を! 「制服自由の日」から学ぶ、受け身では望む自分を作れない!

11月21日、沖縄県那覇市立鏡原中学校が「制服自由の日」を行いました。通常は、制服で登校する生徒たちが、この日は自分で決めた服で登校できるという日。生徒に出された条件は、「授業に支障のない服装」「先生や保護者に相談しない」という2点。彼らに自分で決める力をつけるために行われたものです。

“自由になりたい”“自由でありたい”という言葉をよく耳にしますが、自由の裏側にあることを考えたことはありますか? それは“責任”です。コロナ禍で、会社から離れフリーランスになる方も増えているように感じます。自ら望んでの方もいれば、致し方なくという方もいるでしょう。どちらにしても、フリーランスになられた方は、これまで企業という組織のなかで無意識に守られていたことを感じることがあると思います。ボールペン1本から自分で買わなければなりません。パソコンやプリンタも自分で準備しなければなりませんし、プリンタのインクの在庫管理も自分でします。これまで総務部や人事部が行ってくれていた事務的なことをすべて自分で管理し行うことになります。特に経費精算、健康保険や国民年金、住民税や所得税もお任せしていたことに気づくのではないでしょうか? 年末調整はありませんので、確定申告を行います。いかに会社に属することで、仕事だけに集中できていたかを感じる人もいるのではないかと思います。仕事に“自由”を求めたときに、起こるこのようなこと。そして、当然ですが仕事は自動的には手元に来ないので、営業も自身で行います。誰にも指示されないことは、自分で生み出すことです。 

その準備になるのが「制服自由の日」だと感じました。自分で決めること、自分で行うこと。それは意外と難しいことです。“好きな服が着れて嬉しい”ということだけではない、裏テーマ“自分ひとりで決める責任”の方が本題です。結果としてこの日、体操着やジャージで通学した学生が多かったそうです。もちろん自分の好きな服で通学した生徒もいたようですが、制服ではないにせよ、学校が決めている服を選んだ生徒が多かったという事実。

体育がある生徒は着替える手間を省くために体操着でという機能面もあったようですが、見方を変えれば、決められていることは実はありがたいものだと感じることもできます。

自分で決めることは、実はとても難しいことです。与えられているうちは見えない自己責任が発生するからです。SDGsはすべての項目において、誰かに言われて行うことではありません。“自分で気づき、自分で選び、自分ができることを行う”ことが、持続可能に繋がるからです。気づくきっかけは外から与えられるかもしれません。しかし、実際に何をするか、何を続けるか? 何をしていくか? それを自分で決めるのです。 

その考え方、そういった発想を持つことが10代には本当に必要なこと。与えられることを受け身で生きる時代は終わります。自立できる人が強いです。自立できる人が集まってチームを作り仕事する時代が来ています。 

たった1日の「制服自由の日」を、どう考えるか? 制服通学が多い小学生・中学生・高校生のみなさんに、もし継続して私服で学校に行くとしたら、自分はどんな服を選ぶか? 選び続けるか? 「持続できる選択」を考えてみてほしいと思います。

記事執筆:伊藤緑(広報ウーマンネット 代表)