コロナ禍は、企業がサスティナブルに変わるとき。

2021/02/12

コロナ禍は、企業がサスティナブルに変わるとき。

選ばれる企業になるために、企業が急ぐサスティナブル(持続可能な)。

コロナ禍で、自身が所属する企業と自分の関係を改めて考えることになった方もいらっしゃるのではないでしょうか? 通勤することが当たり前だった1年前と、可能な限りテレワークを、という今。通勤電車の混雑の異常さを当たり前だと思っていた1年前、今ではなぜあんなに混んだ電車に乗ることを受け入れていたのか? と自分に問いたい気持ちになります。

業種によっては、経営が厳しくなり、雇止め・解雇・希望退職・民事再生法の適用・倒産などという言葉が出ています。安泰だと思われていた企業にも起きていることです。まさに、どこにも“絶対”はない、という現実が今、起きています。見えない相手を前に、企業の脆さを目の当たりしつつ、企業の従業員への対応が浮き彫りになっています。

「コロナ禍でもSDGsを」というと、それどころではないという方もいると思いますが、企業姿勢を問うという意味では業種に関わらず今こそ必要な時です。8.働きがいも経済成長も が今、言われていることですから。そして、有事に何をするかは企業(経営者)の在り方が最も問われるときです。その企業がサスティナブルか、そうでないか? 例えば、テレワークに対応するために、経営者が努力する企業もあれば、これまでのやり方を続ける経営者もいます。経営者の姿勢の違いを、多くの方が感じているのではないでしょうか? そして、このままこの企業で働き続けてよいのか? と思っている方もいると思います。今は、辞めると他に仕事がないという理由でなんとか頑張っているけれど、そろそろ限界が来そう、という声も聞きます。

2020年、印象的だったのは、サイボウズのCM。「経営者の皆様へ。仕事は、どんなときも「出社させる」ことでしょうか? がんばるな、ニッポン。」という言葉は、インパクトがありました。企業CMでありながら、働き方を提案するCM。代表取締役社長・青野慶久氏は多くのテレビに出演しています。企業の姿勢を伝えることは広報のひとつです。BtoB企業であるサイボウズ、このCMで知った人もいるのではないでしょうか?

また、従業員の健康を守ることは、3.すべての人に健康と福祉を です。企業は毎年、社員の健康診断を行います。インフルエンザの予防接種を行う企業もありますし、福利厚生で健康のための施設を提供する企業もあります。コロナ禍で7割の社員が在宅で働く株式会社タニタは、通信機能を備えた体組成計を全社員に配ったという記事も出ています。これまでの当たり前を変えていく勇気のある企業、これまでのやり方に固執する企業。大きく二極化しているように感じます。政府が言う「出勤者7割削減」には遠い数字で、毎日通勤している人がいます。

若い世代は、サスティナブルな企業でなければ選ばない時代になっています。合わせて、コロナ禍である今、SDGsウォッシュだった企業は露見してきていることもあるでしょう。建前だけ繕っても、有事には現実が見えるものです。実はブラックだった、と言われないように。
厚生労働省の調査によると、2020年12月の有効求人倍率は1.06倍で、前年の12月を0.51ポイント下回り厳しい状態です。それでもサスティナブルでない企業は選ばれないこともあります。このような時期だからこそ、安心して働きたいと人と望むからです。

ブラック企業の例は、
●長い勤務時間を課す企業
●過剰なノルマを課す企業
●残業代を正しく払わない企業
●パワハラが日常的にある企業
などです。

そして、森喜朗氏の発言により、女性差別のことも掘り起こされています。私が新入社員だった1985年頃の常識(お茶出し、コピー取り、25歳には肩叩き、女性が役職に就けないなど)を、今も引きづる人たち。表面上は繕っても、とっさの時に、つい本音が出ることが多いように感じます。しかし、ひとつ言えるのは、その時代を生きてきた人にとっては、それが正解なのです。当時はそれが新しく、正しかったからです。多くの女性が外で働き始めたのは、本当に最近のことなのですから。企業で働く女性を、OLと呼ぶようになったのはは1963年。公募で決まった「Office Lady」です。これは和製英語。それまでは、「BG(ビジネス・ガール)」と呼ばれ、大正時代は職業婦人と呼ばれていました。しかし、実際、ビジネスの世界で働いていた人はまだまだ少ない時代です。その時代があっての今なのです。ですから、急に変わることは難しいこと。先人が少しずつ切り拓き作られてきた女性のポジションです。そして、今も過渡期なのです。
働き

方が変わる理由は、PCを使うようになり処理能力が上がったこともある。

1989年、私たちは“24時間闘えますか?”という歌詞のCMのもと、時間視点で仕事を語っていました。“24時間闘えますか?”は、1989年の新語・流行語大賞になっています。その位、誰もが口にして、そうあることが格好いいという時代でした。しかし、その時代はWindows95も発売されておらず、ひとり一台PCを持つことなど想像できなかった時代。携帯電話も普及していません。今とは仕事の仕方も違いました。もちろん変わらない仕事もありますが、私は、今ならExcelを使えば1時間程度で終わる仕事を、1日以上かけて行っていました。ちなみに、私は1986年に新卒で社会に出ています。配属された部署は人事部。人事異動の辞令作りも仕事のひとつでした。Excelの挿入で行を増やし、間違えたらdeleteで消してなんてことができるわけなく、ゴム印を使っていた時代です。ソフトウェアの会社でしたので、開発に関わる人にはPCはひとり一台だったかもしれませんが、人事部の人間は共有でPCを使っていました。事前にPCを使う時間を予約する時代です。データをコピーするには、copyコマンドを、送信するにsendコマンドを打ち込んでいました。今と同じだけの仕事をするにも、時間が掛かったのです。テラなんて単位も知らず、8インチのビラビラ(折れてしまったら大変でした)のディスクを使っていた時代ですから。
働き方改革で「リゲイン」は、新たなものに変わっていた。

この記事を書きながら、リゲインは今も販売されているのか? 気になりました。すると、以下のように記載され今は別のコンセプトで販売されていました。

「Regain」には、「Re(再び)+gain(獲得する)」、または「Regain(取り戻す)」という意味があり、疲れた身体に再びパワーを与えるという意味がこめられています。 1988年に誕生した「Regain」は、誕生から30年間にわたり「再び元気になる」というブランドコンセプトのもと、時代の変化、ライフスタイルの変化から生まれるみなさまの声に応じて、製品開発に取り組み、常にカタチにしてきました。
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「リゲイン トリプルフォース」は、「若々しさを保つ」という新たなブランドコンセプトのもと、これまでの“ドリンク”タイプから生まれ変わった製薬会社が科学的エビデンスと共に提供するリゲインシリーズの集大成です。「いつまでも今の健康を維持したい」「いつまでも若々しくありたい」と願う、あなたを応援します。
第一三共ヘルスケア
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発売されているのは、以前のような飲料ではなく錠剤タイプです。

働き方が変われば商品も変わります。ブランドを残した理由は分かりませんが、この商品からも、24時間働く時代はすっかり終わったことが分かります。しかし、実際の企業はそうではないようです。頭では分かっていても、実際行動に移せないというのが現実なのでしょうか?

そして、自治体もテレワークへ

2021年2月7日に放送された『情熱大陸』で紹介された「自治体テレワークシステム」を開発するプロジェクトのリーダーを務めた登大遊さん。番組のタイトルは、「コロナ禍であえぐ全国の自治体を救え! 天才プログラマー・登大遊が挑む緊急テレワークシステム開発」となっていました。現在、自治体は非常にハードワークになっていると思われます。しかし、自治体が示さなければならない姿勢があります。動きが遅いと思われる自治体が、テレワークへ舵を切ることは民間に影響を与えます。1700の自治体の2020年4月のテレワークはわずか3%。このシステム導入で、どこまで上がるのか気になるところです。

サスティナブルな企業しか生き残れない。これは、コロナ禍で拍車がかかったと感じています。

記事執筆:伊藤緑(広報ウーマンネット 代表)