ガーナにチョコレート工場を作った田口愛さんは22歳。カカオ生産者の現実とサステナブルチョコレート。チョコレートプラネットもコンビ名変更か!?

2021/02/27

ガーナにチョコレート工場を作った田口愛さんは22歳。カカオ生産者の現実とサステナブルチョコレート。チョコレートプラネットもコンビ名変更か!?

SDGsのリアルを生きるZ世代

チョコレートは、日本人にとってとても身近なお菓子(嗜好品)です。最近では、カカオ含有率70以上の商品も増え、甘いだけではないチョコレートも人気です。チョコレートの原料はカカオ。カカオの原産地はガーナ。ガーナでカカオを生産する人たちの現実を知った大学生がチョコレート工場を作りました。

SDGsを本気で考えていくのは、20代や10代だろう、ということはこれまでも何度も書いています。それは、SDGsのゴールである2030年や、菅首相が温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする目標を示し、実現に向けた決意をした2050年時点での年齢を計算したとき、どのくらいリアルさがあるかだと感じています。もちろん、年齢に関わらず積極的に関わっている方もいますが、Z世代こそよりリアルな現実を生きるのは明らかです。
「サステナブルチョコレート」「サステナブルカカオ」という言葉がある

「サステナブルチョコレート」「サステナブルカカオ」という言葉があります。「サステナブルカカオ」は、カカオを生産している国のカカオ農家の方の生活向上を考慮し、地球環境にも配慮した生産方法が行われ収穫されたカカオ豆のこと。「サステナブルチョコレート」は、「サステナブルカカオ」から作られたチョコレートです。チョコレートを食べるときに、このチョコレートの原料のことを正直、考えたことがありませんでした。どちらかというと、カロリーや食べ過ぎると吹き出物になるかも、という自分のことばかり。

しかし、私たちが食べているチョコレートの原料であるカカオを生産する人たちの生活はとても厳しいものです。食品の 12.つくる責任つかう責任 以前の、1.貧困をなくそう 2 .飢餓をゼロに 3.すべての人に健康と福祉を を考えさせられる状況です。

ガーナのカカオ生産者のためにチョコレート工場を作った22歳の女性。

コロナ禍で日本も厳しい状態にありSDGsどころじゃないよ、という方もいるかもしれません。しかし、コロナ禍により顕著になったこともたくさんあります。コロナ禍で海外渡航が難しくなっているなか、ICU(国際基督教大学)在学中(現在は休学中)の22歳の田口愛さんが、「私たちのチョコレート工場から、ガーナにカカオ革命を!」を掲げクラウドファンディングを利用しガーナにチョコレート工場を作りました。

カカオを作っているガーナの人たちは、自分たちが作っているカカオがどういう形になっていくかを知らずに作っていたといいます。そこで、ガーナの人たちに自分たちが生産したカカオで作ったチョコレートを食べてもらうことから始めたとのこと。そして、彼女はチョコレートの作り方にいくつかの工夫し、工場を作りました。
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ご好評につき西武池袋店さんでホワイトデー期間も販売させていただけることになりました✨
池袋に行かれる際はぜひ..!!
田口愛 / チョコレート工場長 (@ai_ghanacacao) March 10, 2021
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2021年1月25日(月)から2月28日(日)まで、販売の場となった「Paul Stuart 青山本店」の運営会社、三陽商会のプレスリリースには、“ガーナ現地へのチョコレート工場建設や政府と交渉し品質の高いカカオ豆を高価格で買取できる制度を確立するなど、カカオ農家の所得向上や地域の教育医療などに還元を目指すことで従来のフェアトレードだけでは解決できない課題を変革することを目的につくられている特別なチョコレート”と書かれています。

これは、まさに「サステナブルカカオ」であり、「サステナブルチョコレート」です。また、1月16日(土)~2月14日(日)は、西武池袋本店で開催された『チョコレートパラダイス2021』で世界的に有名なチョコレートブランドと共に販売されました。

19歳のときにガーナで見た景色や経験からチョコレート工場が必要だと感じたという田口愛さんは22歳。SDGsについて悩む企業が多いなか、彼女が行ったことはとても大きなことです。彼女が作ったチョコレートの名前は、挨拶を意味する「MAAHA chocolate」です。
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本日10時はマーハの時間☀️

これはガーナでムキムキのお兄さんがカカオを乾かしているシーン。
眩しい太陽の中、カカオの芳醇な香りが広がります。

チョコレートはこちらから
田口愛 / チョコレート工場長 (@ai_ghanacacao) March 2, 2021
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ファミリーマートで販売される「ファミリーマートコレクション ストロベリーチョコ」

持続可能で企業的な農業経営、生産性の工場、コミュニティ開発の促進を通じて、カカオ生産者の生活とコミュニティを改善し、子どもたちと自然を保護することを目指すココアホライズン財団のサステナブルカカオ原料「ココアホライズン認証カカオ」を100%使用したチョコレート菓子が2020年12月からファミリーマート販売されています。
ファミリーマートコレクション ストロベリーチョコ」276円(税込298円)
ファミリーマートコレクション ピーカンナッツチョコ」232円(税込250円)
コンビニという身近な場所のサスティナブルチョコレートは、SDGsへの敷居を低くします。チョコレートを選ぶことがSDGsに繋がる、SDGsに関われることを知ることも大切なことです。

「ネスレミロ」の影響でココア人気も

品薄になった「ネスレミロ」の影響で、ココアも注目されています。今年は春夏もココアの販売に注力するというニュースも出ています。チョコレートもココアも原料はカカオ。そして、製造工程は途中まで同じとのこと。カカオ生産者に支えられる私たちの生活。「サステナブルカカオ」が増えることを願います。

チョコレートプラネットが名前を変える!?

チョコレートの記事を書いていたら、2月25日にお笑い芸人のチョコレートプラネットが、コンビ名を変える!?というニュースがでました。まさにカカオ生産者の厳しい状況を知ってのことです。きっかけは、チョコレートジャーナリストの市川歩美さん、NGO「ACE」代表の岩附由香さんらが出演した、ハフポスト日本版の生配信番組『ハフライブ』(チョコレートとSDGs)に出演したことがきかっけです。

チョコプラがコンビ名を「チョコレートサステナブル」に変更? 長田庄平さんと考えた、チョコの裏にある児童労働

実際にコンビ名が変わるかどうかはこの記事では分かりませんが、より多くの人にチョコレートの原料であるカカオ生産者の現実を知るきっかけになれば、と思う限りです。

記事執筆:伊藤緑(広報ウーマンネット 代表)