学校で学ぶ機会を。月経(生理)や射精について正しい知識を。ジェンダーレスへの一歩
学校で学ぶ機会を。月経(生理)や射精について正しい知識を。ジェンダーレスへの一歩
2021年6月26日にインスタライブで、宇多田ヒカルさんが「私はノンバイナリー」と語りました。ノンバイナリーとは、自分のことを女とも男とも位置付けていない人のことです。性別の問題や性の問題に一石と投じる発言だったのではないか、と思います。そして、今回初めて、ノンバイナリーという言葉を知り、改めてLGBTQについてや、男性や女性の身体について、学校で学ぶ必要があると感じています。
学校では学ばない生理(月経)や射精のこと
日本の総人口が86万人減り、1億2622万人になったというニュースが出ました。そして、国連推計によると、日本の総人口は国別で11位となり、10位内から外れるという結果となりました。日本の人口減少、少子高齢化は深刻な問題になっています。
日本の総人口、86万人減の1億2622万人…自然減のスピードが増加
少子化問題にはいくつかの理由がありますが、そのひとつに生理を迎える女性に正しい教育が行われていないことがあります。女性が自分の身体を正しく理解する機会がないために、子供ができにくい身体になってしまう、また自分の身体を守れない行為をしてしまうなどが起きているように感じています。
また、離婚率が上がり近くに相談できる大人の女性がいないシングルファーザーのもとで育てられる女の子もいます。生理についての会話は、30年前と比べればオープンになりました。しかし、生理が来たときどうすればよいか? を正しく理解している男性は少ないと思います。ジェンダー問題とは関係なく、体の仕組みなので「経験していないことは分からない」。これは、仕方がないことです。
初潮を迎えたとき、それが自宅であれ、学校であれ、知識がなければ自分に何が起きたか分からないという状況になります。初潮の平均年齢は10歳~15歳ごろと言われていますので、小学生の時に迎える子もいます。周りがすでに初潮を迎えていれば、相談することもできるでしょう。しかし、早く初潮を迎えた女の子は、自分が病気ではないか? と思うこともあるそうです。家庭で教えるべき、という意見もあると思いますが、家庭で教えられない環境があることも現実。家庭で教えることを考えながらも、学校で教える機会を作ることが望まれています。また、女の子だけでなく、男の子にも知ってもらう。恥ずかしいことでないことを理解してもらう、それこそがジェンダー問題解決のひとつではないでしょうか?
また、同様に男の子が射精について学ばないことで、自身の身体に起きていることを正しく理解できないこともあります。これは女性の生理教育よりも遅れているようです。
性教育の教科書がAVになってしまう日本男性のセックスの貧困さ
18歳になっても生理が来ない「原発性無月経」。
自分のことを振り返ってみると、周りの女友達に生理が始まって、自分がまだ初潮を迎えていなかった頃、正直、とてもとても不安でした。私は13歳で初潮を迎えたので決して遅い方ではないですが、中学1年生の冬というタイミングだったので、周りにはすでに始まっている子たちが多く、自分は女ではないのではないか? と思ったことが何度もありました。子供は本当に大人が想像しないことで、悩むものです。
そして、今回この記事を書くにあたり、知ったことがあります。それは、18歳になっても生理が来ないことを「原発性無月経」ということです。そして、2017年に2人の女性が、自身のことについて記事を書いています。公にすることには勇気が必要だったと思います。しかし、同じことで悩んでいる女性へのメッセージになっていると思います。また、2020年1月の記事では、無月経リスクについての記事も出ています。
女31歳。生まれてこのかた、一度も生理がない。(2017年3月24日)
私は、自然に生理も排卵もありません。それでも今、妊娠5ヶ月です 妊娠する可能性がゼロではないということを伝えられたらと思い、筆をとりました。(2017年03月31日)
15歳のニュース 女子中高生8割超、無月経リスク 原因はエネルギー不足 体重増に過度の不安(2020/1/18)
生理と射精については、性別問わず正しく知っているべきことだ、と改めて感じています。
生理や射精について正しく学ばない、性について正しく学ばないのに、「セックスはダメ」と言われても理解できないのではないか?
2020年、コロナ禍で学校が休校になり、10代からの妊娠相談が増えたという記事が出ていました。小学4年生からの相談もあったという記事には私も驚きました。
10代からのSOS “コロナ禍”で増える“妊娠相談” 小学4年生の相談も(2020年7月20日)
また、コロナ禍だけが原因ではありませんが、子供の性的被害のニュースは多く出ています。自分がされていることを正しく理解できないがゆえに、誰にも言えない。言ってはいけないと思ってしまう子もいます。
そこで、学校では、何を教えているのか? を調べてみました。以下のような資料があります。
東京都教育委員会が出している40ページもある、
性教育の手引 – 東京都教育委員会
があります。
いつ何を学ぶかが書かれていますが、しかし、これは地域によって違うようです。
公益社団法人日本産婦人科医会 (2)各地での学校での性教育の取り組み
生理になる時期に知りたいことは、近くにいる経験者からのしか聞けないことが多くあります。また、誰もが同じ症状ではないことも明らかです。実際、以下のようなアンケートがされています。
妊娠、不妊、性犯罪…親になって思う、学校で教えてほしかった性教育【パパママの本音調査】 Vol.319
妊娠、不妊、性犯罪について、どこまで教えるかは慎重に考える必要ではありますが、正しい知識をもっていれば避けられることもあります。希望しない妊娠によっての中絶は女性の身体に大きな負担を与えます。また、自然に妊娠すると思っていても、望んだ時に調べて初めて妊娠しづらい身体であることを知ることあります。そして、不妊の原因は、女性だけの問題ではありません。それを考えたとき、男性も知っておくべきことではないでしょうか? また、性犯罪については、“性犯罪は女の子に限らず、男の子も被害にあう可能性があります。また、時には加害者にもなりうるため、子どものときからの教育が必要だと感じるパパやママから意見が寄せられていました。”という記載があります。
心も身体も多様性の時代。
ジェンダー問題が語られるようになりましたが、心だけでなく、身体ももちろん人それぞれ違います。「大人になれば自然にわかる」、という時代ではなくなりました。
以前、日本は大家族が多く、家庭のなかで誰かが教えていたかもしれません。しかし、今は核家族化が進みシングルマザーやシングルファーザーの家庭で育つ子供も多い時代です。だからこそ、家庭で伝えられないことを学校でと望む声もあります。
学校で教えることが多く、教師の方に負荷がかかっていることも現実ですが、義務教育のうちに、男女平等に知識を得ておくことは、必要だと思います。
そして、これからはLGTBQについても、正しく教えることがより必要になってくると感じています。