貧富の差がでないように規格化された「神戸ノート」

2020/09/15

貧富の差がでないように規格化された「神戸ノート」

今回初めて神戸地方でのみ使われている「神戸ノート(正式商品名:関西ノート学習帳)」を知りました。ノートはいくつかの大手メーカーが作っており、私はそれらを使って学生時代を過ごしました。しかし、神戸の子供たちは、関西ノート株式会社が作っているこの「神戸ノート」を当たり前に使っているようです。

そして、このノートが作られたのは1952年頃。朝鮮戦争がきっかけだというのです。戦争により特需を受けた人、そうでない人、貧富の差が出てしまいました。それは子供たちの持ち物にも影響を与えます。

舶来の高級文具とわら半紙をヒモでとじたノートという差が出てしまったとき、神戸市の教育関係者が、「安くて高品質な文房具を規格化して提供できないか」という依頼したことが「神戸ノート」の誕生の始まり。このとき生まれた神戸ノートが今も続いているのです。

これまで学校で決められた制服やカバン、靴や靴下など、縛られているようにも感じていました。また、それらをすべてそろえるのは大変な家庭をあるのではないか? と考えていました。しかし、規格化することで、差が見えない。制服であれば、毎日同じ服を着ていても、それで良いのです。今は、制服のリユースを行う企業もあります。

私立学校は別の目的があるかもしれませんが、子どもたちを救うための規格化。神戸ノートの誕生は、SDGsだと感じました。

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記事執筆:伊藤緑(広報ウーマンネット 代表)