「女性支援」が、まだまだ必要な時代。必要な支援を必要な人に。
「女性支援」が、まだまだ必要な時代。必要な支援を必要な人に。
「女性支援」は必要な人に届いているのか?
ジェンダーという言葉が知られるようになり、性別についてより考えられるようになりました。そんななかで使われる「女性支援」。個人的には「女性支援」という言葉が使われなくなる日が来ない限り、女性は男性より弱いという扱いなのだな、と感じています。そもそも女性と男性という2つの性があるなかで、まったく同じになる必要があるのか? ということもよく思うことです。
しかし、世の中では「女性活躍」という流れが加速化しており、女性が仕事をすることが当たり前の時代になりました。ただ、同じ力がある男性と女性が同じステージに立てないのは、とても残念なことです。その面でも「女性支援」は必要です。しかし、仕事だけでなく、支援を必要とする女性はたくさんいます。女性という言葉で一括りにすると、支援されることから漏れてしまう方がいるようにも感じています。今、何かで困っている女性が自分が受けられる支援の情報にリーチできているのか? を考えてしまいます。
女性にもさまざまな生き方があり、それぞれの考え方がある。
“類友”という言葉があります。自分の周りに集まる人は自分と境遇が似た人という意味です。私自身、女性起業家としての顔で生きているときに私の周りにいる人たち、作詞家としての顔で生きているときに私の周りにいる人たち、そして、エッセンシャルワーカーとして働く顔で生きているときに私の周りにいる人たちは、それぞれ違います。
同じ女性であっても、望むもの、求めるもの、発する言葉、考え方、すべてが違います。ひとつだけの仕事をしない道を選んだのは20代後半。やりたい仕事、好きな仕事をしていたら、今のようにいくつかの仕事をすることになりました。ひとつの仕事だけをしていると分からないことかもしれませんが、複数の仕事をしていることから思っていることです。SDGsについて考えるようになって、積極的に違う世界を見たいと思って始めたのが、今年2月に始めたエッセンシャルワークです。「働く女性」といってもさまざまなスタイルがあることを実感しています。
支援はいくつかあり、自ら手を伸ばす必要がある。
「女性支援」と聞いて、どんな支援をイメージするかは、それぞれが生きているポジションによって違うと思います。
女性起業家の支援、シングルマザーの支援、コロナ禍で雇止めになってしまった非正規女性社員の支援、DV被害に合ってしまっている女性への支援など、それぞれです。しかし、必要な支援が必要な人に届いているのか? それが問題です。自分が支援の対象になっているのかどうか?という情報にリーチできる人、できない人がいます。これも個人的な印象ですが、起業家支援という言葉は、ポジティブなイメージですが、生きていくための支援はネガティブなイメージになってしまい、自ら手を伸ばせずにいる人がいるように感じています。自分が支援の対象になるのかどうか? 支援を受けることから、新たな道を歩くことはとても大切なことです。支援を行う団体はたくさんあります。省庁、自治体、NPOなど。ネット上には、情報が溢れているにも関わらず、どんな支援があり、どうアプローチするか? 情報弱者という言葉があります。支援の仕組みがあっても届かなければ意味がありません。「女性支援」を行うのであれば、あらゆる女性にその女性たちにあった支援がされるようになってほしい。それが願いです。
そして、私自身も見つけていない支援があると気づきました。生きていくために自分の仕事を人げなくてはなりません。そのためには助成金や補助金など、資金調達をするということ。これまでそれらをちゃんと調べずに仕事をしていました。情報があっても積極的に知る努力をしなければ手にすることはできないのです。生活が大変であれば、生きていくために自分から情報にリーチし動かなければなりません。
女性の自殺率が増えているのは、失業によるもの。女性の自殺率が増えているのは、失業によるもの
2020年12月17日に、以下の記事が出ています。
コロナ禍で日本人女性の自殺が急増、「特有の悲劇」が顕在化
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警視庁のデータによれば、今年10月と11月の自殺者は、それぞれ約2200人、1800人、1月~11月の自殺者は、1万9000人以上だ。10月の自殺者は、前年同月比で男性が約22%増。一方、女性は約83%増となった。
これは、新型コロナウィルスによって日本経済が予期せず受けた影響が、人口およそ1憶2600万人の半数以上を占める女性たちに、いかに大きな打撃を与えているか示すひとつの例だ。
Forbes JAPAN
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男女雇用均等法が始まって30年以上、安倍内閣が2012年に、女性の活躍による経済の活性化、働き手としても消費者としても女性のパワーがけん引する経済のあり方を意味する「ウーマン」(女性)+「エコノミクス」(経済)、“ウーマノミクス”を始め女性の労働者は増えました。しかし、非正規雇用の割合が高かったことが今回のコロナ禍でも明らかになりました。
2020年7月のBloombergの記事では、以下が出ています。
コロナ禍で消えた非正規の女性雇用、アベノミクスの成果ご破算に
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労働力調査によると、パートやアルバイトなど非正規雇用者は4月に同97万人、5月には同61万人それぞれ減少し、女性の割合がいずれも7割を超えた。
Bloombreg
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女性が弱者であることが変わらない現実だからこそ
女性という括りのなかでも、さまざまな働き方や生き方を望む方がいます。また、女性活躍は、働くということだけではありません。これはきっと男性も同じですが。ですので、望む生き方に対してどんな支援があるのかを調べ、自ら手を伸ばしていく。今の時代は生きることに厳しい時代ですが、生き抜くことを考えてほしい、と思っています。
いつだって、明けない夜はありませんから。とにかく生きていくための支援を、支援する側にも、支援を受ける側にも、一番に考えてほしい。そして、その情報がマッチしてほしいと願います。
SDGsの目標、
1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロ
3.すべての人に健康と福祉を
8.働きがいも経済成長も
10.人や国の不平等をなくそう
これは、海外のことではなく、日本のことです。
記事執筆:伊藤緑(広報ウーマンネット 代表)