コロナ禍2年目。百貨店が考えるSDGs。
コロナ禍2年目。百貨店が考えるSDGs。
百貨店はどこへ向かうか?
コロナ禍で厳しいといわれている百貨店。実店舗での買い物が当たり前だった時代から通販にシフト。追い打ちをかけるように、コロナ禍での営業時間の短縮など、百貨店にとって厳しい状況が続いています。2021年の新年に、株式会社そごう・西武が出したコーポレートメッセージは、「百貨店が売って いたのは、希望でした。」です。
コーポレートメッセージ「わたしは、私。」2021 百貨店が売っていたのは、希望でした。
「希望」は素敵な言葉ですが、希望では経営はできません。
コロナ禍のせいか、時代の変化のせいか、あるいは両方か明言はできませんが、百貨店の閉店は続いています。
百貨店はついに「大閉店時代」に突入、東京商工リサーチが解説(2020.10.16)
百貨店空白県が生まれていることが記事になっています。
テーマパークのようにワクワクした空間だった場所。屋上にあったミニ遊園地(知っている世代も少なくなりました)、家族で楽しめるレストラン。それらは大きく変わってきました。
SDGsを謳う百貨店
百貨店という販売を行う企業が行うSDGs。2021年4月以降、いくつかの記事が出ています。
三越伊勢丹でイベント開催決定!「サステナブル×ファッション」をアースデイ東京と考える(2021.04.07)
百貨店はコスメで時代の風を読む SDGs普及に向けた大丸・松坂屋の次なる一手( 2021.06.04)
広がる「服の回収・再利用」 高島屋もスタート(2021年6月2日)
百貨店は新しいもの・高価なものを販売する高級なイメージがありました。しかし、それだけでは厳しいと考えられるようになっているようです。
安くて良いものが生まれ、ブランドにこだわらない人が増え、簡易包装が当たり前になった今、百貨店でなけれなならない理由が求められています。
そして、一例としては、百貨店の包装紙への価値も変わってきたと感じています。
Z世代には、「?」と思われてしまうかもしれませんが、お歳暮やお中元が大切だった頃、どの百貨店の包装紙に包まれているかに意味がありました。
●東京なら、高島屋のバラ
●私の地元、愛知なら松坂屋のカトレア
などです。
以下のような記事も出ています。
百貨店にとって、包装紙は最も重要なブランドアイテム
百貨店は包装紙が命
しかし、お中元やお歳暮の習慣は減り、包装は簡易化されるようになりました。これから百貨店は、何を消費者に提供していくのか? あまりに大きなテーマで個人で意見や答えを出すことはできませんが、企業は同じことを続けているだけでは継承されていきません。時代を読み、消費者を知る。買い物スタイルが変わる今、百貨店の未来をZ世代はどう考えているか気になるところです。
そして今、消費者から選ばれるひとつは、企業の姿勢です。そのひとつがSDGs。
Z世代の買い物の仕方が変わっていく今、百貨店は希望以外に何を売り、どんな姿勢を見せていくか、が問われるところだと考えます。
百貨店がこれからも続いていく、必要とされていくためには、販売だけではなく、そこに行く意味、そこに行きたいと思わせる何か、そこに行くから経験できること、貢献できること、が必要です。そして、Z世代にとっては、それがクールであることが求められるのではないでしょうか?
カッコいい百貨店は何か? 10代は何を求めているか、知りたいところです。
記事執筆:伊藤緑(広報ウーマンネット 代表)